アット・ニフティロゴ @nifty温泉 Travel@nifty
有名温泉地から日帰り温泉、露天風呂、秘湯まで温泉クチコミ&クーポンも充実

 @nifty温泉トップ > コラム > 温泉幽霊遭遇家族  @nifty温泉トップへ戻る






ココログ: blogサービス



コラム
おフログ

2005.10.25

最終回:去っていった「仲間」

温泉幽霊遭遇家族 by 木原ひろみ

「幽霊を見るのは構わないけれど、困るのは憑依されること」と以前書きました。憑依されるとどうなるのでしょうか? 気になりますよね。今回は最終回なので、そのへんの話を書こうと思います。

場所は栃木県川治温泉。霊が憑依した事態を目撃したのは、うちの兄です。

兄は学生時代、リゾートバイトに凝ってました。「空気はおいしいしさ、食事付きだから生活費がかからない。金も貯まるからいいよな。あと仲間もできるしさぁ」なんて言っていましたっけ…。

鬼怒川温泉から川治温泉、平家落人部落で有名な湯西川温泉、さらに奥地の奥鬼怒四湯へは、鬼怒川〜男鹿川と深い渓谷を遡って行きます。その道を、ずいぶん前の初雪の日、路線バスで走ったことがありました。延々と連なる山並みに切り立った谷、黒々とした森にしんしんと雪が降る風景はまさに水墨画。厳しくも美しいと思いました。龍王峡で途中下車して散策した際、無料で振舞って頂いたキノコ汁が、熱々で、五臓六腑にしみわたるおいしさだったことも印象に残っています。あと、やっぱり寒いときの温泉っていいんですよね・・・

川治温泉は、そんな工程の中間地点。男鹿川に沿って、川岸にへばりつくように旅館が続いています。兄がバイトしたのはその一軒。老舗旅館だったそうで、増築に増築を重ねた館内は「まるで迷路」。じつは火災で焼失してしまい、問題の建物はもう存在していませんが、焼けた際には何人か亡くなられた方もいました。(合掌)

その宿に「出る」ということは、特別な霊感のない人にでも実感できることだったようです。

たとえば旧館の大浴場。地階にあるその風呂は、修学旅行のような大人数の団体客にしか使わせない、掃除は複数ですること、決して一人で行ってはいけない、というルールがあったそうです。理由はもちろん「出る」からです。(ひぇっ・・・)

「事件」が起きたのは真夏の夕暮れ時だったそうです。「ぎゃあ〜〜〜」と悲鳴がしたので廊下へ飛び出すと、一人のバイト仲間が血相を変えて走ってきた。「どうしたっ?」と聞いても言葉が出ず、旧館奥の布団部屋方面を指差すだけなので行ってみると・・・もう一人の仲間が、薄暗い部屋のなかでキョトンと立ち尽くしている。

「どうしたのかな、あいつ。俺の顔を見たら悲鳴を上げて逃げて行っちゃったんだよ〜」と泣き出しそう。

(そりゃ逃げ出したくなるわな)と兄。だって、立ち尽くしていた仲間の肩の上には、着物姿で髪を振り乱した女性の幽霊がのっかって、こちらを凄い形相で睨みつけていたのだそうです。

とはいえ、「姿が見えている」とわかったら、こっちに取り付いてきそうだったので、兄は知らん顔で幽霊から眼をそらし、「おかしいなぁ、どうして逃げたんだろうな」とつぶやきながら、早足でその場を立ち去ったとのことでした。

それからどうなったと思います?

仲間は見る見る生気がなくなり、3日後、「なんだかすごく体調が悪くて・・・」と言い残し、バイトを中断して宿を去って行ったそうです。肩にしっかりと、あの幽霊をのっけて。

私の従妹のRちゃんは、「渋谷のセンター街の人通りが3倍に見えてしまう」ほどの強烈な霊感の持ち主。そのRちゃん曰く「ひろみおねえちゃんはよく幽霊を “お持ち帰り” するから困る」そうなのですが、わたし自身は祟られたことがありません。霊的に「強い」から、付いてきた霊は、浄化されて消えていくと、これはほかの霊能力者に言われたことですが、嘘かホントか・・・?

ただひとつ実感しているのは「弱り目に祟り目」。気持ちが弱っていると、悪い霊が付きやすい気がします。波長が合ってしまうんですね。だから、恐いなぁと思ったときは、心のなかに太陽をイメージしてください。あとはリラックス・・・。温泉に入って、おいしいものを食べて、いい景色を見て、のんびりするのが一番ですよ、やっぱり。

yuurei5

※挿絵:澁谷道朗

というわけで、わたしの連載は今回で終了です。3ヶ月間お付き合いいただき、ありがとうございました。

text by 木原ひろみ | 2005.10.25 | [ 温泉幽霊遭遇家族 ] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.10.11

第5回:笑う「女」

温泉幽霊遭遇家族 by 木原ひろみ

私がまだ頻繁に心霊体験をしていたころ(高校から大学あたり)、ひとつ疑問に思っていたことがありました。それは、「幽霊に宗教は効くのか?」ということです。

よくテレビとかで、お坊さんが出てきて除霊しますよね。西洋だと神父さんや牧師さんが「我らが神の子、キリストの名にかけて…」なんて言いながら十字架をかざす・・・。バラエティ番組や映画では、憑依された人は必ずといっていいほど、苦しみだしたり暴れたり、その人ではない声でなにやら話し出したりするわけですが、(憑依している霊が、違う宗教でも大丈夫なんだろうか?)と、私はすごく不思議になってしまうわけです。

だって、イスラム教徒の霊に仏陀の教えを説いても・・・ねぇ。まして、新興宗教や古代宗教、自然崇拝、いろいろあるじゃないですか。そのへんはど〜なのよ! と身もだえしたくなる “切実”な場面に直面したときの話を、亡き父から聞かされたことがあります。

父は本当に温泉好きでした。昨年の4月に亡くなったのですが、その4ヶ月前の1月1日、倒れて病院に運ばれる当日も、弟と母と3人で温泉に行く約束をしていたそうです。実は数日前から苦しそうにしていたようなのですが、「病院へ行ったらそのまま入院になって温泉に行けなくなる」という理由で、我慢していた節があって…、ささやかな約束を命がけで楽しみにしていたと思うと可愛くもあり、哀しくもなります。

さてそんな父に、私は一週間の湯治をプレゼントしたことがありました。10年以上も前の話です。

場所は実家から車で40分のところにある鳴子温泉(宮城県)。1000年以上もの歴史がある名湯で、日本にある11種類の泉質のうち9種類に入ることができるそうです。これからの季節は渓谷の紅葉が美しく、地元の人間もしょっちゅう訪れます。私も小さい頃からよく行きました。といっても日帰り入浴ばかりですが…

父が選んだ宿は、湯治棟と宿泊棟とがある大き目の老舗旅館。この宿、最近ネットで結構宣伝しています。馬鹿旦那ならぬ若旦那が意欲的なんですよね。宿泊プランもアイディアが豊富で、私も一度泊まってみたいなぁと思っています。

話を戻しましょう。宿泊初日。大好きな温泉に指がふやけるほど浸かり、おいしい夕食を食べて、心地よい眠りに身を委ねていた父でしたが、夜中にふと目が覚めたのだそう。(私もそうですが、父も日ごろから眠りが浅い人間でした)

「そうしたらさ床の間を背にして女の幽霊が座っていだのさ

女は着物姿。蒼白な顔でこちらを凝っと見つめている。飛び起きて、すかさず手を合わせ「南無阿弥陀仏…」と唱え始めると、さも可笑しそうにニタニタ笑われて。困った父が

「それじゃあ、南無妙法蓮華教かアーメンか?」と聞くと、一瞬こちらを睨みつけ、続いて身体をのけぞらせて大笑い(といっても声は聞こえなかったそうですが)して、フッと消えてしまったとのこと。

「もうゾーっとしたな。憑りつかれちゃ困るがらさ、翌日からの予約は全部キャンセルして、さっさと帰って来たんだ」と父。

「そうだよね。毎晩出てこられちゃ寿命が縮まっちゃうよね」と私。

父の口からとっさに出たのは南無阿弥陀仏でしたが、私の場合は密教。「九字を切る」というのをよくやりました。その行為に意味があるというよりは、自分の気持ちを落ち着かせ、霊的なパワーを高めるために、です。

最近は、幽霊にもあまり遭遇しなくなったので、九字を切ることはめったにありませんが、そのうち時間に余裕ができたら、真面目に修行して、困っている人や霊の助けになれたらなぁと思っています。

そうそう、父はその後、べつの宿をとり、ちゃんと湯治を楽しみました(笑)。

warauonna

↑今回のイラストは「温泉幽霊」という題名からインスピレーションを受けて描いたとのこと。手の数にご注意ください。イラストレーター・澁谷氏は、この連載3作目にして、「心霊現象を味わってしまった」とメールをくれました。ななな何があったの? ぜひ「温泉幽霊遭遇家族・友だち編」として紹介したい! と思いつつ、連載もあと一回で終わり。最終回は、兄の衝撃体験を書くつもりです。

挿絵・澁谷道朗

text by 木原ひろみ | 2005.10.11 | [ 温泉幽霊遭遇家族 ] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.09.28

第4回:「白い影」と混浴

温泉幽霊遭遇家族 by 木原ひろみ

この連載について仕事仲間のSさんに話したら「幽霊も温泉に入るんですか?」と聞かれました。入るんですよ。私も、私の父も、一緒に入ったことがあります

私の体験は、またべつの機会に書くことにして、今回は父の話です。

父は、営林署の職員でした。とにかく山が大好きで、仕事でもプライベートでも、ひたすら山歩きしているような人でした。

そんな父が、青森県の恐山で体験した話です。

恐山は高野山、比叡山と並ぶ、日本3大霊場のひとつ。いわば日本中から霊が大集合しているような場所なんですが、私のイメージは、あの世とこの世の境界に、ぽっかりとオゾンホールのような穴が開いている感じ。よその土地よりも、霊が、気楽な感じで日常風景に溶け込んでいる場所だと思います。

「イタコの口寄せ」も有名ですよね。イタコは、死者の霊を自分の身体に降りさせ、自分の口を通して語らせる「特技」を持つ女性たち。7月と10月の大祭時にはたくさんいるそうですが、普段はあまりいません。

「農家のおばちゃんたちだから、普段は農作業をしているんだよ」と父。

私は、小さい頃、祖母がイタコに頼み、亡き祖父の霊を呼び出してもらっているのを見たことがあります。正直、笑っちゃいました。だって、歌うような口調で何度も何度も「ああ、本当に情けなや〜〜〜」って言うんですもの。祖父は、そんな口調じゃありませんから。(これは嘘んこ。誰にでもあてはまるようなことをしゃべっているだけ。きっと『これさえ覚えれば あなたも今日からイタコ』みたいなハウツーがあるに違いない)と、子ども心にも思いました。

だけど、祖母はポロポロと涙を流していました。厳格な女性でしたので、これにはびっくり! (亡き人の言葉が聞きたい、つながりたい)一心だったからでしょうか。人は、嘘だと知っていても、進んでだまされたいと思うときがある・・・というのは、大人になってからわかりました。

さて、そんな恐山には、恐山温泉という温泉があります。境内にあり、無料で入浴することができます。素朴な木の建物で、お風呂はヒノキ。外の景色が楽しめる・・・というのではありませんが、熱く透明な湯に浸かっていると、自分のなかのインナーな景色が見えてくるようで、心が落ち着き、癒されます。ヒノキの香りもいいですよね。

境内にある温泉は冬季閉鎖ですが、宿坊のお風呂は、宿泊すれば入れます。(これは未確認情報。父は入ったそうです)

営林署職員は、冬のあいだもスキーをつけて、雪山の木の様子をチェックして回らなくてはなりません。その仕事のために、宿坊に泊まったときのことを、生前よく話してくれました。

「誰もいない温泉にさ、独りで入っていると、カタンと音がするんだ。人がいる気配がして、歩く音がして、スーッと風呂に入ってくる。気がつくと、白い影が4人も5人も、入っている。不思議な光景だよ」

冬の温泉場は、真っ白い湯気が立ち込めていますよね。裸電球がポツンと燈る薄暗いなかに、ポツリポツリと湯につかる白い、いくつもの影。

「影」たちは、話しをするでもなく、父を脅すでもなく、ただ静かに湯に浸かり、静かに出て行くのだそうです。怖いと言えば怖いですが、なんだか、すごく自然な光景にも思えます。霊たちはきっと、魂を温めているんだろうなって。私もいつか、冬の恐山に宿泊することがあったら、ぜひ、その白い影との混浴を、経験してみたいと思っています。

(今回は、寂しいですが、挿絵はお休み。仕事が忙しくて、発注できませんでした。恐山温泉のように、インナーな世界で、画像を想像していただければと思います)

@nifty温泉「恐山温泉」詳細ページへ

text by 木原ひろみ | 2005.09.28 | [ 温泉幽霊遭遇家族 ] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)

2005.09.13

第3回:こんなんなっちゃって「おじさん」

温泉幽霊遭遇家族 by 木原ひろみ

「幽霊が出る部屋って、入った瞬間にわかったりしないんですか?」と聞かれることがあります。巷では「掛け軸の裏に御札が貼ってあったら要注意!」なんて言われていますよね。わたしの場合は、部屋の天井がやけに低く、暗いなと感じたら「要注意」。…出ます。

一方、わたしの兄の場合は直截的「ゾクッと悪寒が走る」。それも“部屋の主”の怨霊レベルに比例しているそうで、長野県の戸隠温泉で部屋に通されたときには「回れ右して帰りたくなった」と申しておりました。可哀相に。

「旅行」と「旅」、同じ行動ではありますが、どちらの呼称を使うかで、その人の「パターン」が見えてくるような気がしています。「旅」って使う人は、「行き当たりばったり、迷うのもまた旅なんだよなぁ」なんて思っている。そして、計画を立てて手配していく「旅行」なんて「軟弱だ」と思っているふしがある←というのが、わたしの兄、しっかり「旅人」です。

だから、必然的に宿も「飛び込み」が多く、夕暮れが近づいた時間帯ともなれば「この部屋、(幽霊が)出そうだから変えてください」ってのは許されない。戸隠温泉でも同様の事態だったみたいです。

諦めて食事して、温泉に浸かって、恋女房のレイ子さんが早くも寝息を立てているにもかかわらず、寝付けない兄。翌日は黒姫山あたりに撮影登山の予定だったそうで、「とにかく寝よう」と目を閉じたとたん、お腹のあたりに「ズンッ」と重みが

慣れっこの兄ですから、(来たか)と思いつつ、無視して寝たふりをしていたのだそうです。そのうち居なくなるだろうと。ところが、なかなか居なくならない。その上「重さの主」は兄の胸のあたりに両手を置いて、激しく揺さぶりながら

「聞いてくださいよ。ひどいんですよ」

とあまりにも、しつこい。しかたなく、目を開けてみると、薄暗い灯りのなかに、「おじさん」の幽霊がしっかりと見えたのだそうです。「おじさん」は最初、左側の顔だけを兄のほうに見せつつ

「あのね、ひどいんですよ。わたしね、事故に会いましてね、こんなんなっちゃったんですよといきなり鼻の先まで顔を近づけて、ぐいっと見せられた右側の顔は、無残に潰れてぐしゃぐしゃ・・・。

ghost3

うゎっと悲鳴をあげそうになった兄。でも、これ以上かかわるのは御免だったので、再び目を閉じ、ひたすら夜が明けるのを待ったのだとか。

その間、「おじさん」はずうっとブツブツブツブツ・・・つぶやいている。静かになったなぁと目を開けると、やっぱりそこに居て、こっちをじっと見つめている。

空が白みはじめ、宿の人たちが起きだした気配を感じた兄は、恋女房をたたき起こし、逃げるようにチェックアウト。

「おたくら、幽霊が出るって知ってるんだろ、あの部屋。ひどいよ!」

と罵りながら出てきたのだそうです。

この話を聞いて、わたしは「推理」しました。

「おじさん」は「事故に会った」と言っているけれど、本当は殺されたのです。高嶋兄弟のお兄ちゃんが出ているテレビ番組でありますよね。お兄ちゃん演じる山岳ガイドに案内されると、ものすごい高い確率で殺人事件に遭遇するサスペンスドラマ。

あのドラマの登場人物のように、「おじさん」はきっと、恐らく愛人と、その温泉に宿泊したのです。戸隠ですから、温泉で汗を流し、その後、手打ち蕎麦、馬刺し、山菜てんぷら、野沢菜なんかを肴に、地酒を酌み交わし、幸せな『最後の晩餐』を楽しんだのではないでしょうか。翌日「愛人」に殺されるとも知らずに。

ちなみにわたしは、あの近辺のお酒では、小布施の桝一市村酒造の『白金(はっきん)』がお気に入り。絶品です!

・・・で翌日、颯爽と登った山で、おじさんは「事故」に見せかけて殺されたのですよ(たぶん)。秋であれば、手にはコスモスの花かなんかをダイイングメッセージとして握り締めていたはずです。(サスペンスですから!)でも、愛人が、自分を裏切ったなんて信じたくない。絶対に!・・・という強い想いが呪縛になって、最後の夜を過ごした宿から「おじさん」を離れられなくしているのではないでしょうか。

cosmos

だって、「事故」に会ったのなら、事故現場に出るべきだし、誰かに執着があるのなら、そっちに出ればいいじゃないですか。納得できないゾ。

「出物腫れ物ところ嫌わず」

という諺がありますが、出物=幽霊っていう解釈もありかもしれませんね。出られる側の都合を考えないという意味の「ところ嫌わず」ということで。

挿絵:澁谷道朗

text by 木原ひろみ | 2005.09.13 | [ 温泉幽霊遭遇家族 ] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

2005.08.30

第2回:不思議な「あの子」

温泉幽霊遭遇家族 by 木原ひろみ

小さな子には、大人とは違う世界が見えてるような気がすることってありませんか?

岐阜県の岩村というところへ、仕事がらみで娘(当時5歳)を連れて行ったときのこと。大広間での夕食が終わり、廊下で遊んでいた娘が戻ってきて言いました。

「あのね、2歳の女の子を連れたお母さんと遊んでいたんだよ」。

廊下の様子をずうっと見ていましたが、そんな母娘の姿はなく、宿にも泊まってはいませんでしたが、

「ふ〜ん、よかったね」と私。

会話を聞いていた仕事仲間のJくんは、

あの子、幽霊見えてたのかな。俺、恐くて泣きそうになったよ」

と後日、友人に漏らしていたそうです。(ごめんね、J君)

けど、私にも、似たような体験がありました

同じく(偶然にも?)、5歳の頃の話です。弟を生んだ後、なかなか体調が戻らなかった母が、岩手県の鉛温泉へ湯治に行きました。(すごく深いお風呂があり、幼い私は溺れそうで恐かったです)私も1週間後に合流。一緒に長逗留することになったわけですが、なにせ山奥の湯治場ですから、基本的には“ジジババ”ばっか。きっとすぐ飽きるだろうな・・・と父も母も心配していたらしいのです。けど幸いにも、それは杞憂で。私にはすぐ、ちょっとだけ年上の女の子の友だちが出来ました。

ofrogu2

当時の私(手前)。後ろは幼稚園の友だち。
真っ赤なほっぺの私たち。 不思議な「あの子」ではありません。

彼女は、宿のことをすごくよく知っていて、誰もいない宴会場や古い部屋などへ、私を連れて行ってくれました。一番印象に残っているのは、幅の広い階段の手すりを、滑り台みたいに昇ったり降りたりして遊んだことでした。そんなことしたら通常は叱られますよね。危険だし・・・でも、私たち以外には“本当に”誰もいなかったので叱られることは全然ありませんでした。

そんなわけで、私は楽しく過ごしていたのですが、1つ不思議なことがありました。
宿の従業員の人たちも、母も、誰も彼もが、

「ひろみちゃん、偉いね。独りで遊んで

と言うのです。
私が「独りじゃないよ。友だちがいるんだよ」と言っても、誰も相手にしてくれません。
そうこうしているうちに3歳違いの兄も、泊まりに来ました。私はうれしくて「友だちがいるんだよ」と紹介しようと思ったのですが、なぜか兄が傍にいるときは、あの子に会えません。二人で遊んだ、お気に入りの宴会場にも古い部屋にも、どうしてもたどり着けません。

そう言えば、私は、あの子の名前を知らないし、あの子の親も知らない。“宿に住んでいるらしい”ということ以外知らなかったのです。

先日、久々に兄に会った際、このことを話したところ、

「そうなんだよ。お前さ、友だちと遊んでるって言うんだけど、絶対独りだったよ。それに宿には、小さい子はお前以外いなかった」。

私は、遠い記憶の彼方に棲む、“あの子”のことを思い出しました。
独りで遊んでいる私のそばにスッと現われては、ニコニコと手招きする彼女。

…幽霊だったのでしょうか。

岩手県には、旧家に住み、福を招く、座敷わらしという妖怪がいるそうです。

もしかしたら、不思議なあの子は、座敷わらし・・・!?だったら素敵なことだと思います。

kihara2

挿絵:渋谷道朗

text by 木原ひろみ | 2005.08.30 | [ 温泉幽霊遭遇家族 ] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)

2005.08.16

第1回:真ん中にいた「彼女」

温泉幽霊遭遇家族 by 木原ひろみ

「やっぱり、幽霊に出会っちゃったときって恐いですか?」

と聞かれることがありますが、出会った瞬間は気づかないことが多いです。

四谷怪談のお岩さんみたいに、
「恐がらせてやる〜系」はめずらしくて、
たいていは物静かで、はかなげ…なんですよ。

北海道の登別温泉で出会った幽霊もそうでした。

あの日は、広告代理店のプロデューサーNさんと、
某ファッションメーカーのプレス担当者と一緒に、
登別温泉の大型旅館に泊まりました。

私はその3日前から別件で札幌に滞在していたので、
一足先にチェックイン。

真冬でしたので、早々に一風呂浴びて(露天風呂!)、
お部屋でぬくぬくゴロゴロしておりました。ホント生き返る思いです。

(登別温泉は湯量が豊富なことに加えて、自然環境もステキ!

翌朝の露天風呂では、キタキツネにも「遭遇」しちゃいました)

さて、夕方4時をちょっと回った頃でした。

「お連れの方が見えました」と、宿の仲居さん。

ドアを開けると女性が3人、右に仲居さん、中央に初対面の女性、
左にもう何度か一緒に取材旅行しているOさんが立っていました。

「あ、こんにちは、お疲れ様です」

「Nさんはまだ?」

「ええ、そろそろだと思いますが」

「じゃあ打ち合わせは着いてからにしましょうか」

「そうですね、(初対面の方との)名刺交換も後ほど」

なんて会話をして、Oさんたちは隣の部屋へ。

ほどなくNさん到着。

「先方は何人?」

「二人でした」

「二人? Oさんと、もう1人は誰かしら?」

「さあ、私は一度も面識がない方でした」

なんて話し合ったのですが、

その後すぐに愕然としちゃいました。

もうお分かりですよね。

真ん中にいた女性は、じつはいなかったんです。

「あの、ご一緒にいらした方は・・・?」と聞くと、

「やだやだやだ…恐いこと言わないでぇ」悲鳴をあげるOさん。

改めて、真ん中にいた「彼女」を思い出しました。

ヘアスタイルはショートボブ。

身長は150cm前後。(小柄です)

20代前半っぽい感じでしたが、服装は思い出せません。

ただ瞳の奥がやけに空虚で…でも、微笑んで(!)ました。

いったい「彼女」は何しに来たのでしょう?

幽霊に出会うのもいやですが、私が心配なのは憑依されることです。

「彼女」はあの日、Oさんの後について、部屋に入っていくのを私は見ました。

ということは、Oさん憑依されちゃった!?

Oさんは、幽霊の存在にはまるで気づいていなかったようですが、

ご自身と仲居さんの間が、
すごく不自然に空いていたことをどう思っていたかしら?

電車などで、ほかは埋まっているのに、
なぜか空いている席や空間ってありますよね。

私の従妹で、すごい霊感を持つRちゃんが言うには、「そういうところには霊がいる」のだそうです。

…納得しちゃいます。

kihara1

挿絵:渋谷道朗

text by 木原ひろみ | 2005.08.16 | [ 温泉幽霊遭遇家族 ] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)