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2005.06.28
最終回:宇宙温泉パックでGO!(旅情編) by 白羽 未依「夏、キマリ! 夏!木マリ!」と新庄がダジャレをかますHISのCMをよく見る。夏木マリ本人とのコラボレーションによる力技勝負。まぬけ度はそうとう高いと思うのだが、新庄がやるとすんなり受け入れられるから不思議だ。 インパクト的にはこのバージョンの方がはるかに強いが、夏木マリがピンで出てくる正統派パターンのCMもある。昔はフランス行くのに200万かかったのヨとか語るやつ(金額違ってたらごめん)。普通に「そーなのね、今もむちゃくちゃ安いとは思わないけど、昔はホントの金持ちしか行けなかったのね」と、素直にそう思った。
パックツアー自体激安化がどんどん進んでいる。その影響でフランスのイメージもずいぶん安くなった。「おフランス様」から「フランスさん」レベルまで身近になった。軽く日本旅行のパンフとか見ても「ライン河クルーズとロマンティック街道・スイスアルプス・ヴェルサイユ宮殿・パリ 9日間」で、17食ついて30万きってる(7月1日出発)。もっと安いのもあるだろう、きっと。
と、ここまで長々書いたのは全部前フリである。 先月クラブツーリズムが記者発表した「英ヴァージン・ギャラクティック社と提携し、宇宙旅行の国内販売に乗り出す」にはけっこうびびった。引田天功、いやプリンセステンコーが宇宙旅行の順番待ちをしていて、ロバート・デ・ニーロの次に行く予定だっていうのはテレビで見た。でもテンコーは油田を持っている女である。常人ではない。こんな早く一般レベルにまで話がおりてくると思わなかったのだ。 だって、どこでもドアもまだ商品化されてないし。「スターウォーズ エピソード3」「宇宙戦争」とか、ハリウッドでもSFバリバリの世界なのにさ。
それに宇宙旅行って、いつの間にそんなに安全性を確立したんだろうか。「アポロ13」映画で見たけど大変なことになってたぞ。でもよくニュース読んだら「40〜50年後には月、火星への旅行も夢ではない」と書いてあった。無重力空間味わうだけなら安全ってことか。 いやー……そうか? 宇宙空間での事故ならまだ命を落とす価値(っていっていいのかわからないけど)はあるが、発射前の事故はどうにもむくわれないので避けてもらいたいところだ。 50年後といえば私は80歳。100年後には月も火星も「安く」なっているかもしれない。パックツアーもできるんだろうな。温泉もできたりして。すごい特殊な源泉とか掘り当てちゃったりして。「宇宙リゾート・火星・月めぐり9日間・どっさりおみやげ付き!」なんてできたらどうしよう。どうしようもないけど。 と思ったら、とあるサイトには「宇宙からの初日の出も夢じゃない」ってさ。とほほ、まるっきり正月ツアーだ。宇宙ステーションに神社とかつくったらみんな願掛けして帰りそうだ。これも夢ではなさそうでこわい。でもやってみたい気もする。お守り売ってたら買うな。中には月の石が入ってるんだよ。「御利益、御利益」とか言っちゃいそうだ。 「宇宙旅行」でGoogle検索すると、114万件もヒットする。実際ありとあらゆることが「夢ではない」と書かれてある。これが全部ホントになったら、宇宙もファンタジーじゃなくなるんだろうな。 そんなわけで旅行ビジネスの未来に思い(妄想)を馳せてみた。でもどれも温泉とはまるで関係ない話になってしまった。ごめんなさい。 なんだかんだで今回で最終回。このコラムを読んでくださっていた方が何人いらっしゃったかわからないが、全部読んでいた方がいたら心から御礼の意を示したい。ヨタ話につきあってくれたことに感謝。そしてお世話になった@nifty温泉スタッフの皆様に大感謝である。 ではまた。ごきげんよう。 text by 白羽 未依 | 2005.06.28 | [ パックでGO!(旅情編) ] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0) 2005.06.15第5回:ライフスタイル・パック時代パックでGO!(旅情編) by 白羽 未依ふとリビングに行くと、父が「おーおー」と騒いでいる。なにかと思えばパックツアーの特集番組であった。 クイズ番組でも律儀に声をあげて回答する父は「安いなー」「いやこの値段ならオレが行った秋田の方が得だった」と求められてもいないコメントを次々とくりだす。娘がパックツアーのコラムを書いていることも知らずに。 パックツアー番組を見て思う タイトルは「熟年限定・格安ツアー大賞“夫婦で心の洗濯”」。テレ東お得意の旅系の番組で、各旅行会社のツアーから厳選したものを、実際にツアー同行して紹介するというもの。リポーター陣もヨネスケ・彦摩呂・原田大二郎などと「いかにも」なチョイス。適任といえよう。 リポートしたツアーは「田植え体験」ができるツアーであったり、世界遺産の白河郷や世界遺産になる予定の知床ツアーだったり。厳選しただけあって、宿のクラスもそんなに悪くないなという印象。 たとえば知床ツアーの宿泊先だった「あかん遊久の里鶴雅」は、@nifty温泉でも平均4.8点の宿。前に書いた北海道ツアーで阿寒湖畔温泉に泊まった時も、大きな紫色の幕が目立つ御殿のような宿構えに立ち止まった記憶がある。 似た者が集まるサークル的ツアー それはさておき。私が一番興味をもったのは、番組が旅行会社と組んで考案した「血液サラサラツアーin鬼怒川温泉」であった。番組では健康と栄養学に詳しい先生の指導のもと、トマトやほうれんそうの農園で試食したり、夕食前の入浴をすすめたり。行程終了後、旅行会社の担当者の血液濃度は4ランクダウンしていたので、きっとうちの父のような高齢層から予約が殺到するであろう。 このツアーの参加者9分9厘が「血液サラサラになりたい人」と想定すると、行程中の会話はおのずと想像がつく。 誰かが伏し目がちに「医者から酒をとめられましてね」と言い、ちがう誰かが「わたしも甘いものがやめられなくて」と答える。これはまさに「午前中の病院の待合室」の風景。病気ジマン&でも健康大好き同好会の完成である。 このような「サークル的ツアー」はもっと増えてくるに違いない。さらにいえばサークル的なツアーから発展して、「ライフスタイルを提案するツアー」がやってくるだろう。 「憧れの生活」をパックする これまでのパックツアーは、景観がよい場所に団体客を大量に送り込んできた。そしてその土地を観光地化してきた。しかしこれからは「メジャーな観光地をまわる」だけではなく、地味な土地でも「日常とはちょっと違う生活」を求める人たちを集めた中規模のツアーが増えると思う。 今年のお中元も人気なのは「いろんな食材の詰め合わせ」であるという。ワインとチョコ、芋焼酎と黒豚というように。これは「いいものをちょっとずつ味わえる」うれしさだけでなく、「食卓を提案してもらった」うれしさがある。 ツアーも同様に「暮らすように旅する」というのか、「農家に泊まってスローライフを楽しむ・13泊14日」「山奥の寺・座禅体験でストレスをリセット・8日間」というプランがどんどん出てくるはずだ。言い切ってるけど。 「子供と一緒に魚を釣り、夕食は海辺のコテージのテラスで網焼きに。夜はテレビを見ずに星を見上げる生活」「ご当地で郷土料理を習い、家庭でも実践する生活」を提案するプランでもいいだろう。 個人旅行でもできるじゃん、と思うかもしれないが、ベストのシチュエーションを安価で提供できるのがパックツアーの魅力だ。プランとガイドが優れていれば十分価値がある。 現実の生活はみんな休みをとれないほど忙しい。「こんな生活してみたい」と思わせるようなツアーがもっと増えるといいと思う。私なら「アラブの宮殿で食べ放題・怠け放題ツアー」かな。ってこれ、日本じゃないけど。 text by 白羽 未依 | 2005.06.15 | [ パックでGO!(旅情編) ] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0) 2005.05.31第4回:パックツアーのヘイガイ?パックでGO!(旅情編) by 白羽 未依20歳になる前の年末。スキューバーダイビングの資格取得をかねてサイパンのパックツアーに参加した。年は1994年。大みそかは同じクラスになったみんなと真夜中のビーチでカウントダウン。時差1時間ちがいの新年につくった「1995」の人文字。アホ面全開の写真は今も私の手元にある。若さなくしては許されない甘酸っぱい記念だ。 温泉とぜんぜん関係ないじゃんと言われるのは承知のうえだが、そんなわけでサイパンのニュースがとても気になっている。
そのニュースとは、JALがつい先日発表した「10月より赤字路線のサイパン便を運休する方針を固めた」というもの。JALによると、団体旅行客、つまりパックツアー利用者が多いため採算がとれないのがその理由。ビジネスでの利用が少ないうえ、近年はアジアビーチ人気でサイパンをはじめ、ハワイ、グァムへの個人旅行者も減っているらしい。 サイパン側はこの発表に衝撃を受けた。なにしろサイパンは日本人客がシェアの7割を占めている。これが決定すれば提供座席数は半減、日本人観光客が激減するのは間違いない。 このニュースが気になるのは、父親の友達がサイパンのリゾートホテルを経営しているからというのもある。実際寝耳に水のような急な話で、4ヶ月そこらの直前に言われても対策の取りようもないとサイパン側は「どうするべさ」と大あわてしているようだ。 JAL便以外にもサイパン行きの飛行機はあるが、送客数が減ればホテルの客室に空きができる。ホテル内のレストランの売上も落ちる。スキューバースクールで生計を立てている人も困る。観光地周辺のショップの客足も途絶えてしまう。 マリアナ政府は急きょ署名活動を行った。そして本日31日に集めた署名をもって知事が来日、JALに運行継続を嘆願することになっている。ちなみに今年は戦後60周年、天皇・皇后両陛下も6月にサイパンへ慰問に訪れる。 パックツアーは安い。実際そのホテルの経営者からも「飛行機代考えたら、うちがタダで泊めてあげるよりもパックツアーで来た方が安いよ」と言われていた。そのおかげで学生でも年末のハイシーズンに海外旅行へ行けたのだ。こちらとしてはうれしいことなのだが、航空会社にとっては負担だったのだろう。 採算がとれない事業を縮小するのは仕方なくても、航空事業は国交に関わる。ハワイ便、グァム便を「減らす」のとサイパン便を「なくす」のにはどえらい差があるように思えるのは私だけだろうか。もうちょっと早く話し合いがあってもよかったのではないか。 団体旅行には思い出もあるし面白いと思っている私なのだが、今回のニュースでは「パックツアーの弊害」について考えてしまった。 ニッポン総観光地化現象 個人旅行者が減った理由には、あまりにもハワイ、グァム、サイパンが「日本人観光客慣れ」してしまったせいもあるだろう。たどたどしい英語で「ハウマッチ?」と聞く私に笑顔で「25ドルデスヨ」と答えてくれる店員。日本語で書かれた「回転すし」の看板や、カタカナメニューの数々。日本人好みに味付けされた薄味の料理。ワガママな話だが、度を超えたサービスが逆に「海外に来た気がしない」と新鮮さをもいでしまった感はある。 でもそれを考えたら、パックツアーで定期的にやってくるお客さんを目当てにしすぎる施設もアヤウイ。国内でも観光客慣れし「こんなもんでいいんじゃないっすかね」と甘んじている温泉地や市場、みやげ屋には独特のぬるさがある。 過剰な宣伝や観光地の定番の取り入れすぎは危険だ。秘湯といわれていた温泉に、仮に「WELCOME秘湯!」というのぼりが立てられたとしよう。笑えはするが、旅情的にはげんなり極まりない。 秘湯プリッツや秘湯キティも同様だ。見たいけど出会いたくなかった、そんな複雑な心境にさせられる。そしてときおり見かける「秘湯パックツアー」、明らかに矛盾している。秘湯におしよせる団体客。それはもう「秘」ではない。 お客さんの意見を取り入れすぎたサービスも、後々しっぺ返しがくる可能性が高い。お客さんは神様とはいえ、しょせん素人。たとえばこんな話がある。ある旅館を取材していた時、「昨年の騒動が起こる前は“天然温泉なんだから24時間入浴できなきゃおかしい”と怒るお客さんもいたよ~」と聞いた。 ガイドブックに書かれていた“こんこんと湧き立つ源泉”という表現を歪曲して受け止めたのだろう。それはお客さんの勘違いで、浴場の清掃はするものだと説明してもわかってもらえなかったそうだ。 でもあの一連の騒動で清掃もクローズアップされ、今度は急に「おたくはちゃんと清掃しているのか」と聞かれることが増えたという。たしかに数年前までは24時間入浴可とうたった温泉旅館が多かった。もしその宿がクレームをそのまま受け止め24時間入浴を行っていたら、事件後槍玉にあげられ信頼をなくしていたかもしれない。 お客さんに振り回され、いきすぎた観光地化・値下げ競争した末にその土地が苦しくなってしまっては元も子もない。もしかしたら今人気のアジアだって、10年後はアヤウイかもしれないのだ。サイパンも温泉地も、土地の持ち味を殺さぬようがんばってもらいたい。 text by 白羽 未依 | 2005.05.31 | [ パックでGO!(旅情編) ] | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0) 2005.05.17第3回:宿にはやっぱり癒されたいパックでGO!(旅情編) by 白羽 未依とあるツアーに参加していた時のこと。その日は、長野の松本にある宿に宿泊するコースだった。 旅はつかれる。この上なく楽しいがつかれる。それは1日中フル観光しているパックツアーとて同じ。宿に到着すれば「フロフロフロフロ、メシメシメシメシ」と、頭の中が湯けむりと白いご飯でいっぱいになる。 当たり前だが、宿にはやっぱり癒しを求めたい。笑顔で迎え入れてくれるスタッフ、できれば美人の女将。「もてなされてるぜ、自分」という実感がわくほどのサービスと、いい風呂・うまいご飯があれば、多少のことは目をつぶれるものである。だが、その晩はちょっと複雑な気分になる出来事があった。
団体パックツアーでの夕飯は、大広間でみんなで食べるのが常である。宴会場に通されると、たいてい仲居さんか添乗員さんが席の振り分けをしてくれる。1人、2人、5人と人数が異なるお客さんが分かれて食事をすることがないようにするためだ。勝手にやらせておくと、電車の座席と同様、どうしても席と席の間に「離れ小島」ならぬ「離れ1人席」ができてしまう。
他のお客さんたちも続々と席につき、「ではそろそそ」といわんばかりに、仲居さん達がチャッカマンで小鍋に火を灯し始める。残るはあと3席×2セット。ちらりと横目で確認し「あと2組か」と思う。しかし、遅れて来たルーキーは4人組のオバチャン&オジチャンチームだった。 当然、オバチャン達はうろたえた。これでは必ず誰か1人が分かれてご飯を食べなくてはならない。「あンらぁ~!」とカーリーヘアのオバチャンが(皆に聞こえるように)声をあげる。しかしもうすでにビールを飲んでいる人、小鉢に箸をつけている人もいて、その声に気づかない人もいる。
私たちは気づいたが、私たちがどいても4人座れるわけではない。そのうち、最後の若いカップルも部屋に来てしまった。この2人には実質影響はないのだが、カーリーヘアのオバチャンは早速そのカップルをつかまえ、「席がね~」とグチり始める。 まあ、ここまではよい。仲居さんが席の振り分けを間違えてしまった、それだけのことだ。私たちだって鬼じゃないから、数人が席をずらしてあげれば解決できる話である。 そんな時、女将がきた。一目で状況を察したらしい。ささっとオバチャンたちをなだめ、そそそとお客さんに声をかけ、あっという間に4席をつくる。にこやかに席に向かうオバチャン&オジチャン。オジチャンは「ようやく酒にありつける」とうれし顔。カップルもオバチャンから解放され、ほっとした表情。しかしその後がすごかった。 「だれ?」。お客さんが食を進める中、女将がフスマそばにいる仲居さんたちをにらむ。他の仲居さんが目をそらす中、私たちを案内してくれた仲居さんが自白したらしい。それから長~い女将の説教が始まった。 時折身ぶり手ぶりを交えながら、「だから」「なんで」「だめじゃない」という女将の声が聞こえる。仲居さんは終始うなだれたままだ。小鉢を食べ終え、刺身にも手をつけ、小鍋の火が消えても終わらない。4人組のオバチャン・オジチャンたちもさすがに気になる様子。「自分たちが原因で彼女は怒られているのかしら」と申し訳なさそうに眉をひそめている。 どうして別室でやらないのだろうか。女将が怒る気持ちもわからなくもないが、私はその女将の方が気になって仕方ない。一言でいえば「キッツイなあ」である。気になりすぎて料理の味もよくわからなかったくらいだった。
こんな風に、サービスを気にするがあまり逆に失敗していることはツアーに限らずともよくある。高級旅館でもある。たまにはぜいたくしようと豪華絢爛な宿に泊まったら、超トサカ頭の女将が出て来てげんなりしたことがある。あ、これはサービスじゃないや。
いや、そのあとも「~してよろしゅうございますか」「~もございますのでなんなりとお申し付けくださいませ」と、ピンからキリまで先回りして最上敬語で迫られた。そうゆう待遇に慣れていないもんで、「あ、はい」「あ、そうすか」という返事しかできず、なんだかこそばゆかった記憶がある。つけいるスキがない、というのは癒しにはつながりにくい。 宿と自分のレベルが合ってなかったといえばそれまでだ。宿は「くう・ねる」と「ハダカで風呂につかる」場所だから、肩ひじ張って泊まらなければいけない宿なら、泊まらない方がいい。総本革ばりのソファで、ワイングラスをかたむけるのが日課になる生活クラスになってから出直したいと思う。
text by 白羽 未依 | 2005.05.17 | [ パックでGO!(旅情編) ] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0) 2005.04.27第2回:マイナーチェンジなパックでGOパックでGO!(旅情編) by 白羽 未依もうじきゴールデンウイーク。
ひとつは、近畿日本ツーリストの創立50周年企画・添乗員同行型パックツアー「軍艦島」。 「無人島へのツアー」という言葉だけ聞くと、おのずと頭の中に楽園イメージが湧いてくるものだが、これはとんでもなく違う。この島は「軍艦」という名が示す通り「昭和の島」だ。石炭が日本を支えるエネルギーの中心であった時代に「炭坑の島」として栄えたが、国が石油へエネルギー政策転換をはかった流れにより閉山。生活していた人すべてが島を後にしたのは1974年4月だという。 島が放つ、時代を切り取られたかのような独特の空気は、
私が30歳だから、ちょうど産まれる前あたり。その頃に終わった島。 私が持っている資料を読むと「この島に上陸することはできません」と書いてある。つまり、長崎港からクルーザーに乗り、外郭を1周して戻ってくるまでの100分だけが見学のチャンスということだ。いわゆる「現場に入って体験」ができるコースではない。でも見てみたい、すごく見てみたい。
私の手元には、Vol.3「水郡(すいぐん)線」とVol.4「両毛(りょうもう)線」の資料がある。昨年発売された商品だが好評だったらしく、今年はVol.5「磐越西線」、Vol.6「越後・弥彦線」も加わった6プランを用意している。パンフは旅行代理店の店頭を飾っているA4サイズではなく、A4を縦に2つ折りした型のスマートなつくりだ。このスマートさ加減は他社ではあまり見られない。細かいことをいえば、文字も太字のゴシック体ではなく、細字の明朝体である。
各線について補足すると、水郡線は茨城県と福島県の間を3時間半かけて走る線。久慈川や阿武隈川などの河川に沿うように進む。両毛線は栃木県と群馬県の山中をジグザグ横断するような形で結んでいる線である。 プランは1泊2日か2泊3日(両毛線は日帰りも含む)中から選ぶことができ、5つの宿から価格と好みに合わせて選ぶことができる。また、フリー乗車券がつくので、両線とも自由に乗り降りができる。「ぶらり途中下車」で昼食や観光を楽しむスタイルだ。ちなみに宿は、袋谷温泉・大子温泉(水郡線)、薮塚温泉(両毛線)などのエリアが選ばれている。 フリープランのいいところは、宿と交通を同時におさえることができること。それから、大枠をつくってもらってはいるものの「自分で旅した気分」が味わえるところだ。うっかりはしゃぎすぎると、どえらく出費がかさんでしまうが、その分思い出もふえる。添乗員同行型だと制約が多い「食べ物」が、好きなように楽しめる点も大きいだろう。 私の場合でいえば、そこにものすごく弱いので、
朝食→まんじゅう→昼食→みやげ屋で連続立ち食い&試食→甘味処→温泉→「とりあえずビール!」→夕食→酒酒酒 こんな、ダメ人間丸出しのスケジューリングになることしばしば。だから、食事に制約があるパックツアーの方がいいと考えることもあるのだけれど。
先にあげた2つのツアーで同じくいえるのは、プラン内容に「思いをはせる」ことができ、かつ当日も「しみじみできる時間」がありそうだな、と期待できるところである。まず、行く前からそこには何があるのか、と想像がふくらむ。また、軍艦島を実際に目の当たりにした時、スローな電車に揺られている時にきっと「旅をしている」と実感できるであろうと思う。 今回はとりわけ日本的な(しぶい?)ツアーをピックアップしてしまったが、よくパンフレットをチェックしてみると、パックツアーはメジャーどころをたくさん連れ回すプランばかりではないのである。こうした「レア」「オリジナル」企画がもっと出てくると、選ぶ方もおもしろいし、日本ももっと好きになるのかもしれない。
text by 白羽 未依 | 2005.04.27 | [ パックでGO!(旅情編) ] | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1) 2005.04.12第1回:よい店よい宿よい仕事パックでGO!(旅情編) by 白羽 未依本当にいいものってなんだろう 旅行も好きだけど、食べることも大好きだ。 ただ、値段に関係なく「いい」「うまい」と感じたものが「本当にいいものか」はわからない。わかるのは、自分がそう思ったということだけだ。あるいは、そこで働いている人に話を聞いたり、見たりしたことで「本当にいいものだ」と感じるか、である。
でも、行く前に「本当にいいもの」であってほしいなーと願う思いはある。パチンコで1000円でも1万円でもお金をかけたからにはフィーバーしてほしい、という気持ちに似ている。いや、パチンコやらないんだけど。 だからいろいろネット見たり、雑誌読んだり下調べするし、「よい宿(店)の見分け方」なんて記事があると「ふむー」と勉強してみたりするのである。「パチンコ必勝ガイド」を買う心境である。いや、買ったことないけど。 でも、読んでる情報自体が間違ってたらどうしよう。
でもその横に夕闇をバックに湯けむりただよう露天風呂や、ぜいたくに盛りつけられた御膳の写真なんかがあると「行きたあ~い!」と、どうしようもなくなってしまう。 知ってるんですよ。借りてる写真だったり、カメラマンさんが光の露出考えながらしっかり撮影したキメキメ写真なのは。知っているのに、信じたくなるからメディアってのはすごいのである。それが増長するからさらにすごい。ネットも手伝って速度は光速なみである。
たしかに、イメージが下がる切り取られ方したら、普通に私もイヤである。誤解をまねくような形で意訳されていたら余計だ。明日には街中から石を投げられるかもしれん、危険だ。何としても阻止だ。でも私がそれを心配する必要はないけど。
では、これはどうか。 豊富なメニューの中から「しそ」「海老」「カレー」など何種類か餃子を頼む、テーブルにはこれまた辛そうなのやら、味噌だれ風なのやら何種類かのタレがある。楽しそうなんだが、どれを何につけていいのやらわからない。「ま、それぞれ試してみようか」ということで、ワイワイ食べはじめ、私はちょこちょこメモしていた。その時、 「何をしてるんですか、店長ですけど」 ひょえ~。そんなに目立たないように書いてたのに、いきなり“おかんむり”の様子である。友達から「どうするよ?」の目線がとぶ、 静まるテーブル。 どうしたもんかとこまったが、正直に「かくかくしかじか」説明した。ごまかしようもあったのだが、心が清らかなので仕方ない。悪意や下心はないですよ、とミニアピールを織りまぜながら話した。 しかし、答えは「それなら最初に言ってほしい。食べに来たお客さんに、勝手にネットで“まずい”“好きじゃない”と書かれてショックを受けているものですから」というものだった。 わからなくはない、関西から東京進出したその店が出す餃子は“ひと口餃子”系なので、「どっしり、具だくさん、ジューシー」系とは違い、好き嫌いが分かれるところだろうと思う。その店長は自分の店の情報をつぶさにチェックし、評価をとても気にするタイプだったのだ。 「では、私からおいしい食べ方をきちんとご説明させていただきます」と、細かーく、それはもう丁寧に、作り方からこだわり、タレとの相性をうかがった。ここまでくると、逆になんだか書きづらい。そして空気と居心地が悪い。友達はモジモジ、私も申し訳なくてモジモジである。
また、雑誌やネットでまとめたことをそのまま個人のHPでアップしたり、気にいらなかったことがあったからと悪口雑言のみ書き込んでしまう人は、その影響や責任までは考えてないだろう。それも「本当の情報」とは限らないかもしれない。 さっきの餃子屋の話はかなり昔の話だったので、あらためてネット検索してみたら、昨年末にクローズしたようである。なのでことさら考えがかけめぐる。でも結局、情報に関係なく「好き」と自信をもっておすすめできる、モノの価値観があればいいのかな、とも思う。 text by 白羽 未依 | 2005.04.12 | [ パックでGO!(旅情編) ] | 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0) |














