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2006.07.18
最終回:最終章~消えた秘湯編~知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏今回は番外編として、諸事情により消滅した秘湯を紹介します。 消えた秘湯第1弾~「熊谷温泉」(上士幌町)~ 大雪山国立公園内にある糠平湖ほとりに湧いていた温泉で、かつては湯治宿もあったが、昭和30年ダム建設に伴ない湖底に沈む。ただ、ダム渇水期の春から初夏に湯元が出現、地元の愛好家が湯をホース等で引き込み、丸太ブロの湯船をつくりこっそりと利用していた。その後、噂が広まり幻の秘湯として全国放映されるまでに成長、湖畔でキャンプをする人も現われた。 しかし、ここは国立公園内だったのが不幸の始まり、役所の許可無くして工作物を作るのは違法だったのだ。ダム所有者の電力会社も初めは黙認してきたが、毎年増える利用者のマナー悪化が引き金となり、平成10年の春、施設撤去にふみきった。(新聞にも写真入りで掲載される)今では、温泉も埋められ跡形も無くなった。ここを探険したのは平成9年の春、国道339号線から林道を約10k走ると湯船を発見、湖畔に下り、湯に浸かると湖水が目前に迫り、湖に入っているような不思議な感覚、年に3カ月程しか入浴できない幻の温泉を1日楽しんだ。林道途中には現在、北海道遺産にもなっている「タウシュベツ橋梁」が架かっている。あれから8年、今では温泉を知る人も少ない。
消えた秘湯第2弾~「玉温泉」(当別町)~ 古い北海道地図には記載があるかもしれない、場所は石狩郡当別町の青山地区、青山ダム付近に温泉マークがある。ここも熊谷温泉と同様に、ダム建設に伴ない湖底に沈んだ。ただ違いは、年中ダム底にありながら、密かに湧いていること、そう入浴不可能な温泉なのだ。数年前、北海道の民放TVがこの温泉を特集し、渇水期にダム所有会社の協力を得て探索、ダム中央付近にこんこんと湧く温泉を発見し、手製の湯船での入浴シーンが放送される。一般の人は、勿論、温泉探し禁止です。現在は、近くに「玉の湯トンネル」として名残をとどめている。 ~あとがき~ いよいよ最終回となりました、拙い文章に4カ月間お付き合い頂きありがとうございます。北海道にはまだまだ、秘湯と呼ばれる温泉が沢山あります。ここでは、これから秘湯探険を始めたいという方々に、非力ながら準備とアドバイスを紹介します。何かの参考になれば幸いです。 準備するもの、「地形図」2万5千分の1、「熊よけ鈴、笛など」、「方位磁石」、「双眼鏡」、「高機能腕時計」、「携帯電話」、「水と食料」、「軍手」、「帽子」、「雨カッパ」、「カメラ」、「ヒザ、肘サポーター」、「登山靴」など以上は、最低限揃えたい、そして出発となるわけですが、秘湯探険を甘くみてはいけません、人の知らない温泉に行くわけですから、道らしき道は無い状況もあり、それなりの知識と経験が必要です。特に、僕のような単独行は危険度100%、山中で遭難したり、足に怪我などしても誰も助けてくれません。温泉も見つかるとは限りません、ヒグマやマムシとの遭遇もありえます。川の遡行もあり、「気力」、「体力」、「知力」、「勇気」、「時の運」がものを云う世界。人が簡単に行けないため、秘湯になっていることを忘れずに、山間の一軒宿温泉巡りからまず始め、徐々にレベルを上げていくことをお勧めします。楽をして成果は望めません。 最後に秘湯探しのコツを幾つかあげておきます。 「地形図の温泉マークを探す」、「廃業した温泉宿を探す」、「地元のローカル番組やローカル紙などチェック」、「有名温泉卿のそばを狙う」、「市町村発行のパンフをチェック」、「地元の人の情報」、「湯気の上がる朝夕、季節は春と秋が狙い目」、「温泉の臭いに敏感になること」など、 「習うより慣れろ」、「リスク無くして発見なし」、「秘湯探険は理屈よりも執念」、「経験と知識が余裕を生む」、など、経験上の教訓も並べてみました。 それでは、みなさんのご健康と、ご活躍を願ってお別れ、ありがとうございました。 text by 渡辺忠宏 | 2006.07.18 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (3) 2006.07.04第7回:知床編第ニ弾~危険、決してマネはしないで下さい。知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏北海道で秘湯ベスト3に入れたいのが薫別温泉、知床奥地のシークレットゾーンで、辺りはヒグマの巣窟だ。人を拒むように分岐の多い林道と悪路、そしてヒグマの痕跡、案内板なども無い。市販の道路地図(20万分の1)に記載はあるものの、なめて掛かると迷路に入り込んでしまう。それなりの覚悟と勇気を持って望んで欲しい。 アタックしたのは平成14年の夏、標津町から国道335号を北上し知床(羅臼町)へ向かう、途中の薫別地区で左折し薫別川の上流を辿る。古多糠北7線から起点のT字路にまず出ること、ここまでは舗装道路なので、地図を見ながら何とかなるはず。ここからは林道を辿る、大きな分岐を左に入り「赤い橋」を渡る(重要目印)、次の分岐は右へ入りしばらく進み「赤茶色の橋」を渡ると、車2~3台分の空き地があり、川下に下りる道がある。、ここまで国道から約10k、途中の怪しい細い林道に入り込まないよう注意、5分程歩くと「薫別温泉」の手製の看板があった。「フーッ」一息したのも束の間、少し先にヒグマの糞と足跡が・・・・ここは、ビビりながらも冷静に判断、幸い今日のものでは無いようなので安心?、ここからは、備え付けのロープを駆使してブッシュの覆う崖を下ると、ついにその瞬間が訪れた。「ハーッ」と一気に力が抜けた。崖をくりぬいて作った湯船、下を流れる薫別川は澄み、周囲は、深い両岸が聳え立つ函状地形、岩の裂け目は深くエメラルドグリーンに輝く、ここは秘湯の楽園だ。「こりゃ凄いぜ」と感動したものの難点が1つ、湯が熱すぎる、かつてのTV番組でないが、熱湯CM(約50度)以上に熱いのだ。ふと、そばにはロープで吊るしたバケツがある?どうやら川の水を汲んで薄めるらしい(マジかよ)ここまで来て入らないのも悔しい、気合を入れて始めるも意外に重労働、適温になる頃にはヘロヘロ状態、やっとの思いで湯につかれた。自然と一体と言えば聞こえはいいが、素っ裸でヒグマとの遭遇は圧倒的不利、足早に切り上げたくなる。知床のヒグマ生息密度は全道一なのだ。 さて、ここでお詫びがあります。この温泉の写真が無いんです申し訳ない、実は撮ったフィルムを誤って川にドボン、運悪く予備フィルムも無し、携帯も当時のは写真機能が無い、この時は、ヒグマと遭遇以上に頭が真っ白になった。苦労の結晶が一瞬にして水の泡に・・・・ああ~悪夢の薫別温泉、再チャレンジにも危険が付きまとい、何せサラリーマンなもので時間と余裕が無い。秘湯探検家にとって痛恨のミスだった。 知床の観光名所の1つ、知床峠にも知られざる温泉が湧いている。ここは滝探険の際、偶然発見できたもので地形図にも温泉マークは無い。斜里町ウトロ地区から国道334号を知床峠へと向かうルート、時折、エゾ鹿やキタキツネが横断し、運がよければ道路沿いの木立越からヒグマも見られ、シーズン中は交通量も増える。 地形図を頼りに、峠の2k程手前で下車し滝を眺めていた時、硫黄臭が漂ってきた。初めは前日に入った硫黄泉で、自分が臭うのかと思ったがそうでない、臭いを辿り道路を横断し見下ろすと、何と温泉が川になって流れているではないか、湯華に染まり一目でそれと分かる程、またかなり下にあるため車からは見えない、臭いに気づかないと見つけるのは不可能に近い場所だ。思うが早いか、急な草地を滑るように下りた。手をつけるとややぬる目で適温に近い、藻が多く入浴には勇気がいるかも知れないが、秘湯感は充分味わえる。「温泉探しも楽あれば苦ありか」、道路脇に秘湯が湧き、観光名所ととなり合わせなのも知床の特徴だ。 幾つか秘湯を紹介してきたが、知床には他にも無料で入れる温泉(秘湯)が沢山ある。カムイワッカ湯の滝、相泊温泉、セセキ温泉、岩尾別温泉の野天風呂など、これらは全て観光気分で入浴可能、温泉探険だけで2日間は楽しめそうだ。日本最後の秘境は秘湯もスゴかった。 薫別温泉(標津町西古多糠) @nifty温泉「カムイワッカ湯の滝」詳細ページへ text by 渡辺忠宏 | 2006.07.04 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) 2006.06.20第6回:知床編第一弾~秘湯は永久に不滅なり~知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏世間はワールドカップサッカー一色ですね。自称スポーツオタクの僕も寝不足がつづいています。さて、今回からは、最終章となる知床編に入ります。原始の自然を色濃く残し、全国でも屈指の秘境地帯を形成、昨年世界遺産にも登録されました。反面、道内観光のメインとして観光客も急増、「日本最後の秘境」と言われたキャッチフレーズも今は霞んでいます。ただ、観光コースから一歩外れれば、そこは原始域、いわゆる秘湯もわんさか湧いており、ウトロや羅臼などの温泉卿、キャンプ場も多いので宿泊してじっくり探険したい場所です。 平成15年の秋、まずは羅臼町の秘湯探険へ。市街地から山側へ向かい3k程「羅臼間欠泉」の看板で下車、数分で間欠泉に至る。天然記念物にも指定され、約30分間隔で、2~3mの噴湯が上がる。道内でも数ヶ所しかない貴重な存在で、「温泉は生きている」を実感できる。車に戻り向かい側を見ると、川原へと下りる道がある。引き込まれる様に歩くと数分で、何と源泉100%の温泉をあっけなく発見。廃ポンプから惜しみなく湯が流れ出ている。気温の低い時などは、道路からも湯煙が見えいい目印になる。川の水で薄めれば天然の岩風呂だ。目前に砂防ダムがあり、釣り人をたまに見かける程度で観光客とは無縁。こんな簡単に秘湯が見つかるのも知床ならではといえる。峡谷に流れる無垢な時間を堪能しよう。この付近には未利用の源泉が数十ヶ所あり、秘湯フリークは見逃せない。 更に、羅臼町には全国でも唯一?と思われる場所に、温泉が湧いている。ズバリ町役場、市街地に建つ庁舎裏に、ひっそりと湯煙を上げている。硫黄臭漂う木槽の蛇口を捻ると温泉がでてくる。「おおっ」と驚きの声をあげたほど。しかも無料で持ち帰りも自由。こんなご時世に何とも気前がいい。聞くと、源泉が豊富なため、平成8年から余った分を開放しているとのこと。「さすが知床だ」。看板なども無いため、観光客はほとんど来ないそうだ。駅に温泉が湧くのは長野県にあるらしいが、役場敷地内に、温泉が湧くのはここだけだろう。間欠泉を過ぎて程なく、「熊の湯」とキャンプ場の看板から右折して駐車場で下車する。ガイドブック等に必ず紹介されている「熊の湯」は、シーズン中大変込み合う、順番待ちが出来るほどで、落ち着いて入浴など出来ない。こんな状況を北海道弁で「あずましくない(落ち着かない)」と言うが。 今年は、特に混雑がひどくなることも考えられ、秘湯が悲湯になりそうだ。さて、駐車場から羅臼岳登山口へと入ると、15分程で源泉地帯へ到着する。モウモウと湯煙が上がり、一目で温泉と分かるはず。湯浴みができそうなスペースも、ただ登山者の奇異な目にさらされる事になり、相当の勇気がいる。手製の露天風呂跡もあったが、ここは国立公園内のため、自然に手を加えるのは禁止だ。採るのは写真だけ、残すのは足跡だけ、ゴミは投げない(捨てない)、探険の基本なり。 <場所の説明> 次回は、知床編第2弾の予定です。 text by 渡辺忠宏 | 2006.06.20 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) 2006.06.06第5回:秘湯探険の厳しさを知る?編知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏 大雪山周辺の秘湯第3弾 「あ~遥かなる天女の湯」の巻 駐車場に車を置き、まずはビジターセンターで詳しい場所を教えてもらう、聞き込みも秘湯探険では大事な要素だ。「天女の湯はいいですよ~どうぞ気をつけて」と見送られロープウェーと平行に延びる登山道を歩きだす。途中の「天女ヶ原」では水芭蕉の群落も見られる。約40分で、目印となる黄色い棒杭が立っておりここで左折、後は残雪の上を天女ヶ原の駅舎目がけて進む、夏は熊笹とブッシュに覆われそうな道もこの時期は足跡が残るので帰りに迷う心配も無い、春先は秘湯探険のチャンスでもある。駅舎に着き地形図を頼りに探すこと15分で温泉を発見、聞き込みが効いたのか迷うこともなかった。湯は手入れもされ、しっかりとした枠組に板の子まである親切さ、旭岳を仰ぎながらゆったりと貸切風呂を楽しんだ。人気は無しこれぞ「天然の癒し系」とでも言っておこうか。 しかし、この温泉が風前の灯火になっている。平成12年6月下旬ロープウェー大型化に従い、天女ヶ原駅が廃止になってしまったのだ・・・残念。今では建物も残っていない。昨年の夏、別の探険の折、再訪してみたものの、黄色い棒杭は色あせその先は、笹ヤブとブッシュに覆われアプローチは難しい状況だった。ビジターセンターに聞いても「辿りつくのは難しいです」と前回とは違う説明、ただ立入禁止ではなく、消えてしまうのは実に惜しい、今夏ひそかに再挑戦に燃えている。こうしてまた1つ秘湯の厳しさを知った。 大雪山周辺の秘湯第4弾~「蛇も秘湯が好き?」の巻 10分程で「左折は行止」×マークの看板を発見、ここを左折する。ユコマンベツ川支流の赤い橋を渡るとズブズブとぬかるむ苔の地面、そばには温泉貯蔵 タンクと管らしきものが、これが温泉か?と辺りを見渡すと、上流部へ続く苔の道しかもロープまで張ってある。「何かある」と直感し、一気に登りつめると、無色透明の湯船が2つもあった。これはどうぞ入って下さいと言っているようなもの「こりゃ~目からウロコだぜ」と、はしゃいだのもそこまでだった。何と足元にウロコ?「蛇だー」一瞬固まった。よく見るとそばには抜け殻もそいつは悠然と僕の前を横断し草むらへと消えていった。しばしボー然、しかし、ここでビビッては探検家ではない、辺りを蹴散らかしいない事を確認の上「ザブン」と沈む、以外に入ってみると湯加減もよく快適そのものですっかり長湯に、しかし油断してはいけないあのヘビもこの湯を虎視眈々と狙っている、何せ音も気配も無い相手、目配り気配りは抜かりなくだ。湯は岩風呂と崖下に湧く2つでそれぞれ3人位のスペースがある。草なども刈り払われ以外に清潔、渓流も心地良く響き、蛇さえ我慢できれば最高の湯浴みがたのしめるのだが、秘湯探しの敵は熊だけではなかった。それにしてもあの蛇は毒蛇だったのか?「う~ん」多分その場をどけたから毒(どく)蛇か。とりあえず「旭岳蛇の湯」と名づけておこう。 場所の説明:天女の湯(上川郡東川町旭岳) text by 渡辺忠宏 | 2006.06.06 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) 2006.05.23第4回:大雪山周辺の秘湯編。秘湯発見に必要なものとは?知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏駆け足ながら今回からは、大雪山周辺の秘湯紹介。 大雪山周辺の秘湯編、第1弾は岩間温泉。 旭川市からだと、層雲峡、三国峠を経由し上士幌町の三股地区まで約100k、山間の快適なドライブコースだ。「三股橋」を過ぎ、右手にある「石狩岳、音更山登山口」の林道を見落とさないこと。探訪したのは平成15年の7月、セミ時雨の響く暑い日だった。林道から温泉までは約8k、ただ紛らわしい分岐が多く、林道慣れしていないと迷いそう、山勘でなどと甘くみては車返しにあう。コツとして、「地形図を持つ」、「2股の林道は右へ」、「轍の残る林道を進む」、この3鉄則を守ること。 「岩間温泉まで6k」の手作り看板以外は目印等は無い。数年前に僕も途中で迷ってしまい、たどり着けなかった経験がある。まだシーズン前と言うこともあり、行き交う車は往復で3~4台、ただ鹿との遭遇はその倍以上あった。北海道らしいともいえるが危険である。トリップメーターとにらめっこしながら距離を確認、最後にアップダウンの林道越えると「岩間温泉300m」の看板を発見、緊張感から解放されホッとする。林道も終点で駐車スペースもある。 ここからは歩くのが無難、靴を履き替え歩くと荒れた道は川で行き止まり、丸太橋で渡渉を2回繰り返すと石組の立派な湯船に到着、意外と手入れもされ訪れる人もいるようだ。早速入浴、一気に体を体を沈めると聞こえるのは川のせせらぎのみ、静かだ。自然とは見るだけでなく聞く楽しみもある。目を閉じれば、自然にとろけそうな感じ、これは味わった人にしか分からない感覚だ。 この日は、本州からのライダーが1人入っていたが、先に帰ってしまい貸切状態だった。ただし、油断は禁物で近くの薮からヒグマがヌッとでても違和感のない雰囲気。大雪山系は、ヒグマの生息地で密度も高い。1人での入浴にはスリルと孤独に打ち勝つ精神力も必要だ。この辺りは清流にしか住まないイワナも生息し、釣りも楽しめる。 そういえば、今年発売の旅行雑誌で、この温泉を紹介していたが、たどり着くのにかなり苦労していた。リサーチはしっかりして行きたい。後は先ほどの3鉄則を忘れずに、安心して入浴したい人は夏休みシーズンの土日がお勧め?誰かは入浴してるはず。ヒグマかもしれないが...
秘湯探険には運と注意深さも必要だ。十勝岳崖の湯(仮名)も偶然発見できた温泉の一つ。上富良野町から十勝岳温泉へ向かう道道、標高が上がるにつれ傾斜のきついヘアピンカーブが続く。途中にある温泉宿「カミホロ荘」を1つの目印として、宿手前400m地点にある砂防ダムが入り口となる。 探訪したのは平成15年6月の残雪期。この時は温泉でなく、上流部にある「法華滝」探検が目的だった。下車してまずは、巨大なダムをクリアしなけらばならない。正面突破など不可能、ここは画像左手の崖に取り付き、熊笹を掴みながらよじ上る作戦をとった。残雪も利用し、ダムの上に出ると、左手には巨大な崖がせり出し、かなりの迫力で今にも崩れそう。小石が間髪いれずにコロコロ転げ落ちてくる。 滝は右手の上流にあるのだが、崖をよく見ると1筋の水が流れ落ちており、どうも様子がおかしい、そこだけ苔が生え色合いも違う、ひょっとして温泉? 崖にビビりながら近づき手をかざすと温かい、湯華もあり間違いなく温泉、これは思わぬ発見とほくそ笑んだ。 改めて観察すると、崖の中腹から自然湧出しており量は少ない、下流部は湯華に染まり地面で自然消滅している。それにしてもこの温泉を知っている人は、どのくらいいるだろうか? ご存知の方はかなりの秘湯マニアといえるはず。「法華滝」もかなりマニアックな滝。そこに行く人も発見できる人は少ないだろう。もちろん地形図にも記載なし。夏はブッシュに覆われ分かりづらいため、もしアタックするなら春と秋か。 こんな発見があるから探険は面白い。ただ上記の通り危険が満載であるため、普通の温泉好きの方は、道道終点の頂上にある十勝岳温泉「凌雲閣」で、十勝岳連峰を眺めながらの露天風呂で満足しましょう。 @nifty温泉「岩間温泉 岩間の湯」詳細ページへ text by 渡辺忠宏 | 2006.05.23 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) 2006.05.09第3回:引き続き道央編。国破れて山河あり。そこに秘湯はあった。知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏今回は前回に引き続き「道央編」。第3弾は「川又温泉(登別)」 秘湯探しのコツとして、温泉郷のそばを狙うのも賢い作戦だ。湧出量が多いため、近くの山林などで人知れず湧いていることが多いからだ。登別の「川又温泉」もそんなオコボレといえる存在で、以前は道央圏でも有数の秘湯とされたが、最近では入浴者も増え知名度が高まっている。北海道の秘湯探険では、登竜門的な存在だろうか。 この温泉との出会いは、10年程前、とあるミニコミ誌に載っていたのを目ざとく発見したもの、登別温泉と云えば全国区の温泉郷、そんな場所にいわゆる秘湯など湧いているのか?なんと地形図にはしっかり記載がある。なら行くしかない、誰に頼まれたわけでもないが行くしかないのだ。「あ~こんな俺に誰がした」 初アタックは平成7年の秋、以降3度ほど探訪している。登別市の幌別地区から、胆振幌別川を溯るルート、民家も無くなり孤独な一本道をひた走る。約10k先の行止まりに鉱山町の集落を発見。「こんな奥にまだ民家があるのか?」 案内板によると、昔は鉱山で栄え学校もあったらしく、いわゆる「国破れて山河あり」状態。何かがありそうな雰囲気でもある。温泉へは、ここから看板を頼りに林道を進む、廃屋や牧草地、雑木林を抜け終点まで3.5k程、車を下りると深山幽谷の世界を実感。下腹部からキュッと引き締まる感覚(男には分かる)だ。熊よけの鈴をつけブッシュへ分け入る、渓流を渡り遡行するものの看板もあり、踏み分け道もあるので迷うことはないはず、30分程で熊笹におおわれた湯船を発見できる。しかしここでホッとしてはいけない。周りをキョロキョロしヒグマを警戒する。コンクリート製の枠に2人程のスペースで、登別では珍しく無色透明のアルカリ泉だ。 山奥深くスリルある命がけの入浴タイム、湯につかりながらふと考えた。秘湯を追い求め10数年よく無事だったものだと。探険にはある意味強運も必要なのかも。古くはアイヌの人達も薬湯として利用し、また昭和30年頃までは湯治宿もあったが、洪水で流され、やがて付近の鉱山も閉鎖され温泉だけが何十年も残った。この執念、誰か見習って欲しいもの(俺のことか?)だ。 最近は、脱衣小屋も作られワイルドさが失われつつあるのは残念でもある。平成14年には、こんな山間の集落に似合わない建物「フォレスト鉱山」がオープンし、研修センターとして自然ガイド、レクリェ-ションなどネイチャー活動を行っている。川又温泉の情報もバッチリで初めて行く人も気軽に相談できる。 道央編第4弾「これもある意味秘湯? 祝梅温泉(千歳市)」 秘湯探険なんぞ続けていると、たまには安心して入れる温泉が妙に恋しくなる。少し楽をしょうと向かったのが千歳市の「祝梅温泉」。ただ、一筋縄でいくはずがなかった。地形図にも記載はないが、名前からして祝梅地区にあることは間違いない。自宅から車で30分で到着のはずが、見渡す限りの田園地帯に民家が点在。「こんな場所に温泉なんかあるのか?」 リサーチしてきたから間違いないはず。こういう時は地元の人に聞き込み。これに限る。農作業しているオジサンによると「温泉か~この先の矢倉跡から入ればすぐだ~」「でも、お兄ちゃん温泉あるのよく知ってるね」 話を聞くと地元の人以外の入浴者は皆無に近いらしい。これはそそられる。 言われたとおり進むと行き止まりに一軒の民家を発見、開け放しの玄関上には「祝梅温泉」の看板が。「これかっ」 恐る恐る入ってみた。中は田舎人には懐かしい薪ストーブと古ぼけたソファーのある居間兼休憩所、辺りを見渡すと湯銭箱らしきものが、その時妙な視線を感じた。見るとお婆さんが何時の間にかソファーに座っているではないか?「初めてかい、そこにいくらか入れて湯は奥にあるから」と言って、ストーブに薪を入れ始めた。「ムムッ」この老人なかなかの兵と見たり。 とりあえず200円を入れ脱衣所へ、お世辞にもキレイとはいえない、浴室のドアを開けるともうもうとした湯気と薪の香りが漂う、2~3人も入れば満員の湯船は木造りで、民家の風呂そのまま。思わず「おじゃまします」と言ってしまいそうな雰囲気だ。湯はウーロン茶色、薪で沸かす温泉などドラマでしか見たことがない。まさしく秘(火)湯だ。おまけに薄めるため水の蛇口を捻ると温泉(冷泉)がでてきた。何と贅沢な使い方、こんなマニアックな温泉が近くにあったとは... 畑の真ん中に湧く温泉でのどかに飛行機を眺める。これがホントの優(湯)雅な時間? それなりの覚悟はいるが、秘湯といえるだろう。それにしてもあのお婆さん、ポイントが高い。 text by 渡辺忠宏 | 2006.05.09 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) 2006.04.18第2回:知られざる温泉in道央編知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏第2回の「知られざる温泉in北海道」、今回は道央編。 道央編第1弾は「幻となるのか沖野温泉、廃道寸前の道を行く」の巻... 苫小牧市から、国道36号を南下し白老町へ向かう、社会人野球ファンならご存知の大昭和製紙北海道のふるさとだ。市街地には目もくれずに山側へと右折、道道白老大滝線から、白老川を北上するルートだ。約15k地点にある「森野橋」で下車して右手にある頑丈なゲートから歩きとなる。平成15年の台風で車両通行止になり、最近では魚釣りの人をたまに見かける程度、深い原生林が茂る淋しい林道だ。 「気合だー」と沢に取り付く。 ただこの付近には、もう一つ砂防ダムがあり紛らわしい。間違うと秘湯が疲労で終わってしまうので注意。2つ目のダムをひたすら遡行すること30分で、ついに小滝流れる温泉に到着。硫黄臭も鼻につくなか崖の上に、笹薮に覆われた湯だまりを発見、適温となれば入るしかないだろう、と思った時には既に素っ裸。身軽さも身上です。もちろん混浴だが、人間よりはヘビか熊に遭遇する確率が高い。湯に浸かりながら、勝利感に浸る一人の男。絵になる?風景か。 じつはこの温泉が幻になろうとしている。理由は簡単で「行く人がいないから」 初めて行った5,6年前は、林道も比較的整備され、砂防ダムまで車で入れた。通行止め以後は、役所も予算がないのか崖崩れが起きてもほったらかしで、荒れるに任せる形になっている。昨年8月、この林道から上流にあるポンベツの滝へ探険した時は、クマ笹、ブッシュが道を覆い、登山道並の幅になっていた。肝心の砂防ダムと沢も埋もれかかり、知らないと見つけるのに苦労しそう。最新版の地形図からも温泉マークが消えた。秘湯の宿命とはいえ、はかないものなり。文字通り知られざる温泉になるのか、行く末に注目したい。 道央編第2弾は「ニセコの奥の湯(仮称)探険記」 地形図を眺めていて、温泉マークを発見することはよくある。秘湯探しもこれが頼りと言ってもいいほどだ。「ニセコの奥の湯(仮称)」もそうして見つけた温泉だ。 さて、ニセコへ入りA温泉を過ぎ、登りルートを進むと、左手に細い枝道を発見。どうやらこの道らしい、入り口付近には「ヒグマ出没中と山菜採りの遭難防止」の看板が立っている。余談だが、ニセコの山菜採りはハンパでない。要は山菜よりも採る人の方が多いということだ。駐車場は朝から占拠される。 セミ時雨の中、温泉はあった。 古ぼけた橋の手前に古屋と「ヒグマ注意の看板」。しかも臭う。その奥に源泉らしき湯が湧いているではないか。流れは湯華で地面を染め川へと合流、手に取るとかすかに硫黄臭、なめると酸っぱい。間違いなく源泉かけ流し、地図に偽りなし。知らなければ通り過ぎてしまう。 text by 渡辺忠宏 | 2006.04.18 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (3) 2006.04.04第1回:知られざる温泉in道南編知られざる温泉in北海道 by 渡辺忠宏はじめまして。渡辺忠宏、通称ナベさんと申します。 「探険は理屈よりも執念だー」 まず道南の温泉について簡単に紹介。 その中で今回のターゲットの第1弾は、磯谷温泉(旧南茅部町)。 もうもうと上がる湯煙に、さっきの硫黄臭がプンプン漂う、五感はやはり正しかった。この瞬間こそ探険家冥利に尽きる。コンクリート壁を湯華に染め、滝のように流れ落ちる豊富な湯。手もつけられないほどの熱湯は、そのまま川へと放流という状態。実にもったいない、というか北海道のスケールの大きさを感じる。国道からすぐなのにこんな未使用の湯が...昔は宿があったらしいが廃業し、今は建物も残ってない。時代の流れに勝てなかったらしい。 しかし、これだけの温泉でも地形図(2万5千分の1)に記載が無い。この程度では載せないのか? さすが北海道の温泉レベルは高い? 河原には先客が作ったのか石組みの湯船跡もあったがぬるかった。ここは上半身裸に手拭いで湯浴みを楽しむことにした。硫黄の臭いは香水代わり。さらにこの付近には桜の木が多いことに気づいた。4月下旬~5月上旬には「花見の湯」になるのだろう。 道南編のターゲット第2弾は、河鹿の湯(島牧村)。 国道から入るとまず目に入るのが「宮内温泉旅館」。ここの露天風呂も野趣にあふれなかなかお勧め。一般の方はここで満足して帰るのが無難だろう。じゃないと後悔する。さらに進むと林道に変わり、右手には泊川渓谷の流れが心地よい。「トンネルを抜けるとそこは雪国」ならぬ工事中だった。車はここまで。いつものように装備を整え歩き出す。 「やっぱ歩かないと探険じゃないよな」と呟きながら仮設橋を渡ると、道は険しさを増してくる。この工事、実は数年前に頓挫し荒れるに任せる状態になっている。ヒザ下くらいの大岩がゴロゴロ。「これはシャレにならんぞ」 まあ、探険家たるものこの程度でビビッていては務まらない。ヒグマの足跡らしきものも「なあに鹿の足跡だろう」と思い聞かせ(実は怖い)ひたすら前進あるのみ。河にえぐられた崩壊寸前の道、押し迫る崖、深い原生林とブッシュ、もはや鳥の鳴声がプレデターの鳴声に聞こえてくる。滑落すれば骨の1、2本はいくだろう。これがホントの骨折り損の何とやら? シャレにもならん。この恐怖心が快感だったりもするのだが、これではアブナイ人間か? 40分程歩くと対岸に赤茶色の怪しい物体が。「何だあれは?」ヒトデの化物か恐竜の卵か。疲れも忘れ猛ダッシュ! それこそ「河鹿の湯」の噴泉塔だった。 接近するには、急流の渡渉が必要で、少し技術がいるかも。深さ約50cm。目前に立つと「こりゃすごい、巨大な温泉山脈や」。高さ約2m、幅約10mはある。こんな温泉は全国でも稀だろう。足元は少しぬるく、夏なら水浴びに適するが...しかしである、泉源と思われる頂の噴泉口から湯が湧いてない。枯れ葉も詰まり、しばらく湧いていない様子で、1~2時間待っても気配なし。「あれっ?」 後でリサーチしたところ、この湯は枯渇に近いらしいとのこと。付近での道路工事か南西沖地震(平成5年)の影響らしい。「残念...」 text by 渡辺忠宏 | 2006.04.04 | [ 知られざる温泉in北海道 ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0) |




























